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カスタマーエンゲージメントツール比較【2026年版】Intercom・Braze・CleverTap

· SaaSナビ編集部

デジタル化が進む現代において、顧客との関係性はビジネスの成功を左右する重要な要素となっています。特にSaaSビジネスにおいては、プロダクトの利用促進や顧客ロイヤルティの向上に直結する「カスタマーエンゲージメント」が不可欠です。本記事では、カスタマーエンゲージメントの重要性から、主要ツールの比較、そして自社に最適なツール選びのポイントまで、SaaSナビ編集部が徹底解説します。

カスタマーエンゲージメントツールとは?その重要性を解説

カスタマーエンゲージメントツールとは、顧客一人ひとりの行動や属性データに基づき、パーソナライズされたコミュニケーションを自動化・最適化することで、顧客との関係性を深め、エンゲージメントを高めるためのソフトウェアです。

カスタマーエンゲージメントの定義とSaaSビジネスにおける重要性

カスタマーエンゲージメントとは、顧客が企業やブランドに対して抱く、感情的な結びつきや積極的な関与の状態を指します。具体的には、製品の継続的な利用、ポジティブなフィードバック、友人への推奨などが挙げられます。

SaaSビジネスにおいてカスタマーエンゲージメントが特に重要視される理由は以下の通りです。

  • チャーン率の低減: エンゲージメントが高い顧客は、サービスの解約(チャーン)率が低い傾向にあります。顧客維持は新規顧客獲得よりもコストが低いとされており、LTV(顧客生涯価値)向上に直結します。
  • LTV(顧客生涯価値)の最大化: エンゲージメントの高い顧客は、より多くの機能を利用し、上位プランへのアップグレードや関連サービスの購入にも繋がりやすいため、LTVが向上します。
  • プロダクト改善の促進: 積極的にフィードバックをくれるエンゲージメントの高い顧客は、プロダクトの改善点や新機能開発のヒントを提供してくれる貴重な存在です。
  • 口コミによる新規顧客獲得: 満足度の高い顧客は、ポジティブな口コミや紹介を通じて、新規顧客の獲得に貢献します。

これらの理由から、カスタマーエンゲージメントの向上はSaaSビジネスの持続的な成長に不可欠であり、その実現を支援するカスタマーエンゲージメントツールの導入は、現代のSaaS企業にとって戦略的な投資と言えるでしょう。

カスタマーエンゲージメントツールが提供する主な機能

カスタマーエンゲージメントツールは、多岐にわたる機能を統合的に提供することで、顧客とのあらゆる接点におけるエンゲージメント向上を支援します。

主な機能は以下の通りです。

  • 顧客データ統合・セグメンテーション: 顧客の行動履歴(Webサイト閲覧、アプリ利用、メール開封など)、購入履歴、属性情報などを統合し、顧客を細かくセグメント化します。これにより、各セグメントに最適化されたアプローチが可能になります。
  • パーソナライズされたメッセージング:
    • アプリ内メッセージ・プッシュ通知: アプリやWebサイトの利用状況に応じたリアルタイムのメッセージ配信。
    • メールマーケティング: 顧客の行動に基づいたパーソナライズされたメールの自動配信。
    • チャット: リアルタイムでの顧客サポートや質問対応。
  • オンボーディング支援: 新規ユーザーがサービスを使いこなせるよう、チュートリアルやヒントの提供を自動化します。
  • NPS(ネットプロモータースコア)調査・フィードバック収集: 顧客満足度を測るためのアンケート実施や、フィードバック収集を効率化します。
  • A/Bテスト・効果測定: 配信するメッセージやコンテンツの効果をテストし、データに基づいて最適化。各種キャンペーンの効果を詳細に分析します。
  • ワークフロー自動化: 特定の顧客行動をトリガーに、自動でメッセージを配信したり、担当者にアラートを送ったりするワークフローを設定できます。

これらの機能を活用することで、企業は顧客一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションを実現し、顧客体験(CX)全体を向上させることが可能になります。

主要カスタマーエンゲージメントツール3選【2026年版】

ここでは、市場で高い評価を受けているカスタマーエンゲージメントツールの中から、特に注目すべき3つのツール「Intercom」「Braze」「CleverTap」をピックアップし、それぞれの特徴を比較します。

ツール名 特徴 強み 弱み
Intercom 会話型マーケティング・サポート 簡単な導入、直感的なUI、チャット機能の豊富さ 大規模エンタープライズ向けでは機能拡張に限界
Braze モバイルエンゲージメント、パーソナライゼーション 高度なセグメンテーション、リアルタイム連携 料金体系が複雑、導入に専門知識が必要
CleverTap データ分析に基づくパーソナライゼーション 強力なデータ分析機能、多チャネル対応 日本語ドキュメントが少ない、初期費用が高め

1. Intercom

Intercomは、Webサイトやアプリ内での顧客との「会話」を重視したカスタマーエンゲージメントツールです。特にチャット機能に強みがあり、リアルタイムサポートからパーソナライズされたメッセージ配信まで幅広く対応します。

機能

  • チャット機能: アプリ内チャット、チャットボット、ライブチャット。
  • Targeted Messages: 特定のユーザーセグメントへの自動メッセージ配信。
  • Product Tours: 新規ユーザー向けのオンボーディングツアー作成。
  • Help Center: 顧客が自己解決できるヘルプ記事の作成・公開。
  • Email Campaigns: 顧客行動に基づいたパーソナライズされたメールキャンペーン。
  • 豊富な連携: Salesforce, Slack, Stripeなど、様々なツールとの連携が可能。

料金プラン

Intercomの料金プランは、主に「Support」「Engage」「Convert」「Start」の4つに分かれており、利用する機能とコンタクト数によって変動します。例えば、スタートアップ向けの「Start」プランは月額$74からですが、より高度な機能が必要な「Engage」プランでは、機能とコンタクト数に応じて見積もりが必要です。年間契約で割引が適用されるケースが多いです。正確な料金は公式ウェブサイトでの見積もりが必要です。

導入事例

  • 事例1: オンライン学習プラットフォーム
    • 導入目的: 新規ユーザーのオンボーディング改善、疑問解消。
    • 導入効果: チャットボットによるFAQの自動応答でサポート工数を50%削減。プロダクトツアーによるチュートリアルで初期の離脱率を20%改善。
  • 事例2: SaaS型プロジェクト管理ツール
    • 導入目的: 既存ユーザーの機能活用促進、アップセル。
    • 導入効果: 特定の機能を使っていないユーザーに絞ってアプリ内メッセージを配信し、機能利用率を15%向上。有料プランへのアップセルにも貢献。

2. Braze

Brazeは、特にモバイルアプリを中心とした顧客エンゲージメントに強みを持つプラットフォームです。大量の顧客データをリアルタイムで処理し、高度にパーソナライズされた顧客体験を提供することに優れています。

機能

  • リアルタイムパーソナライゼーション: ユーザー行動に基づき、ミリ秒単位でパーソナライズされたコンテンツ配信。
  • クロスチャネルメッセージング: プッシュ通知、アプリ内メッセージ、メール、SMS、Webプッシュなど、あらゆるチャネルで一貫したコミュニケーション。
  • Canvas: 複雑なカスタマージャーニーを視覚的に設計・自動化する機能。
  • Intelligent Timing: 顧客がメッセージを開封しやすい最適なタイミングをAIが予測し配信。
  • Content Cards: アプリ内ニュースフィードのような形式で、パーソナライズされた情報を表示。
  • 詳細なアナリティクス: キャンペーン効果、ユーザー行動、LTVなどを多角的に分析。

料金プラン

Brazeは、利用する機能やメッセージ送信量、アクティブユーザー数に応じて料金が変動するカスタムプランが基本です。スタートアップ向けの小規模プランから、エンタープライズ向けの大規模プランまで柔軟に対応しますが、一般的に初期費用や月額料金は高めに設定されています。大規模な顧客基盤を持つ企業や、複雑なカスタマージャーニーを設計したい企業向けと言えるでしょう。

導入事例

  • 事例1: モバイルゲームアプリ
    • 導入目的: ユーザーのリテンション率向上、課金促進。
    • 導入効果: ユーザーのゲーム内行動に基づいたパーソナライズされたプッシュ通知により、特定アイテムの購入率が25%向上。離脱しそうなユーザーへのリテンション施策で、翌日継続率を5%改善。
  • 事例2: フィンテック系モバイルアプリ
    • 導入目的: 新規サービスの利用促進、既存ユーザーのアクティベーション。
    • 導入効果: 顧客の金融行動パターンを分析し、最適なタイミングでサービス紹介のアプリ内メッセージを配信。新規サービスの登録率が18%増加。

3. CleverTap

CleverTapは、強力なデータ分析と機械学習を活用し、顧客のライフサイクル全体にわたるパーソナライズされたエンゲージメントを実現するプラットフォームです。特に、モバイルアプリユーザーの行動分析に強みを持っています。

機能

  • ユーザー行動分析: ユーザーの属性、行動、エンゲージメントレベルを深く分析。ファネル分析、コホート分析、NPS分析など。
  • セグメンテーション: リアルタイムでの詳細なユーザーセグメント作成。
  • 多チャネルメッセージング: プッシュ通知、アプリ内メッセージ、メール、SMS、Webプッシュ、WhatsAppなど。
  • Journeys: 顧客のライフサイクルに合わせた自動化されたカスタマージャーニー設計。
  • Personalization: ユーザーの好みに合わせたコンテンツやレコメンデーション。
  • Experimentation: A/Bテスト、多変量テストによるキャンペーン最適化。

料金プラン

CleverTapの料金プランも、Brazeと同様に利用する機能やアクティブユーザー数に基づいて個別の見積もりとなります。大規模なデータ分析や高度なパーソナライゼーション機能を求める企業向けのソリューションであり、比較的高い費用がかかる傾向にあります。無料トライアルが用意されているため、まずは少数のユーザーで試用することをお勧めします。

導入事例

  • 事例1: Eコマースアプリ
    • 導入目的: カート放棄率の改善、リピート購入促進。
    • 導入効果: カートに商品を残したままのユーザーに対し、プッシュ通知とメールでリマインダーを自動送信。カート放棄率を10%低減。過去の購入履歴に基づいたレコメンデーションにより、リピート購入率が12%向上。
  • 事例2: メディア系アプリ
    • 導入目的: ユーザーのコンテンツ消費促進、アプリ滞在時間延長。
    • 導入効果: ユーザーの閲覧履歴や興味関心に合わせたパーソナライズされた記事レコメンデーションをアプリ内メッセージで配信。アプリの平均滞在時間が8%延長。

自社に最適なカスタマーエンゲージメントツールの選び方

数あるカスタマーエンゲージメントツールの中から、自社に最適なものを選ぶためには、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。

1. 目的とKPIを明確にする

「なぜカスタマーエンゲージメントツールを導入するのか」を明確にし、具体的な目標とそれを測るためのKPI(重要業績評価指標)を設定します。

  • 目的の例:
    • 新規ユーザーのオンボーディング完了率を向上させたい。
    • 既存ユーザーのプロダクト利用率を高めたい。
    • チャーン率を低減したい。
    • アップセル・クロスセルを促進したい。
    • 顧客満足度(NPS)を向上させたい。
  • KPIの例:
    • オンボーディング完了率、初回購入率、機能利用率、アクティブユーザー数(DAU/MAU)、チャーン率、LTV、NPS、顧客からのフィードバック数。

これらの目的とKPIに基づき、必要な機能が何か、どの程度の効果を期待するのかを具体化します。

2. 必要な機能と予算を考慮する

自社の目的達成に必要な機能をリストアップし、優先順位をつけます。

  • 必須機能: チャットサポート、プッシュ通知、メールマーケティング、セグメンテーション、基本的な分析機能など。
  • あると良い機能: 高度なA/Bテスト、機械学習による最適化、複雑なカスタマージャーニー構築、CRM連携など。

また、予算も重要な要素です。上記で比較したように、ツールの料金体系は大きく異なります。高機能なツールほど高額になる傾向があるため、費用対効果を慎重に見極める必要があります。特に、利用ユーザー数やメッセージ送信量によって料金が変動するモデルが多いため、将来的な規模拡大も考慮に入れたシミュレーションを行いましょう。

3. 既存システムとの連携性

すでに利用しているCRM、MA、SFA、BIツールなどの既存システムとスムーズに連携できるかも確認が必要です。API連携の柔軟性や、主要なSaaSツールとの連携テンプレートが提供されているかなどを確認しましょう。データの一元管理と円滑なデータフローは、カスタマーエンゲージメントの効果を最大化するために不可欠です。

4. サポート体制と日本語対応

導入後の運用やトラブル発生時に、ベンダーからのサポート体制が充実しているかは非常に重要です。特に、日本のビジネスパーソンにとっては、日本語でのサポートやドキュメントの有無も大きな選定ポイントとなります。海外製のツールの場合、日本語対応が不十分なケースもあるため、事前に確認しておきましょう。

5. スケーラビリティ

ビジネスの成長に伴い、顧客数やデータ量が増加しても、ツールが柔軟に対応できるスケーラビリティがあるかを確認します。小規模なビジネスであればシンプルなツールから始め、将来的に高機能なツールへ移行することも選択肢の一つです。

これらのポイントを総合的に検討し、複数のツールを比較検討することで、自社のビジネスモデルやフェーズに最適なカスタマーエンゲージメントツールを見つけることができるでしょう。

SaaS選定に関するさらに詳しい情報は、以下の記事も参考にしてください。

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